赤外カットフィルターの除去と光路長
以前SONYα7を分解・改造して赤外カットフィルターの除去を行いました。
これで赤外側の写りが大幅に改善されたのですが、一つ問題があります。
それはこのままでは「カメラレンズを装着したときに無限遠が出ない」ことです。
これは赤外カットフィルターにて光路長が約1.5倍程度に伸びるためです
(媒質中で進行する光は速度が真空中より落ちるため屈折率倍に光路長が伸びる)。
ここでフィルターの厚みがほぼ1mmなので約0.5mm程度の調整が必要となります。
望遠鏡を使う場合や厚めのフィルターを途中に挿入するならこのままで構いません。
当初はそのつもりでしたがやはり調整しておこうと思い直して分解・調整を行いました。
調整があまりに地獄すぎた件
作業自体は以前と同様に分解してスペーサーを入れたり外したり…というものです。
ちなみにダストリダクションユニットは取り外しても動きましたので、外しておきました
(この部分にも赤外カット効果が少しあるようで可能なら取り外した方が良いらしい)。
![](http://astroenif.com/wp-content/uploads/2023/02/InfredCut-1024x683.jpg)
しかし…作業も慣れてくると同じことの繰り返しなので段々飽きてきます。
しかも手探りでスペーサーを入れたり外したりする必要がありまさに調整地獄!です。
結局センサーとボディの間に最初から入っている3つ穴のスペーサー除去(上の写真)
さらにセンサーとフレームの間に約0.3mm程度の小さいワッシャーを入れました。
![](http://astroenif.com/wp-content/uploads/2023/02/spacer-1024x683.jpg)
ちなみにこのスペーサーはミニ四駆のGUPに付属している小スペーサーです。
ミニ四駆のパーツ、ちょっとしたときに使えるものが多くて結構便利がいいです。
引越し中に掘り返していたら使えそうなものがあったので取っておいてよかった。
ということで結局0.8mmほどセンサー位置を前側にずらすという結果となりました。
調整結果とフラットケーブルの取り扱い
以上のような調整を行ったところ、この辺りで無限遠に合焦するようになりました。
![](http://astroenif.com/wp-content/uploads/2023/02/Infinity-1024x683.jpg)
完全にピタリと無限に来ておらず今度はセンサー位置が前すぎるようです。
このレンズは他のカメラで無限にあうのでやはり改造α7の方が少し狂っています。
しかし無限にはピント出ることが分かりましたのでひとまずこれで良しとします。
というか分解・調整の繰り返し地獄はもう勘弁願いたい、というのが実際の所です。
それと改めて組み立て中にフラットケーブル挿す難しさを痛感させられました。
実は何度か電源が入らず焦ったのですがそんな時はケーブル挿し直してみました。
それで動くようになりましたのできちんと組み立てる難しさを改めて実感した次第です。
コメント
お疲れ様でした。
10年位前に赤外フィルター除去したEOSKISSはフィルター厚が1mm無い感じだったので
そのままで無限遠は出ました。
およそフィルター厚さの1/3が光路長短縮となるので薄いフィルターで
影響が少なく無限遠でピントが出たのでしょうね。
余談ですがフィルター除去は破損する方が多いですがラッカーシンナーで簡単に外す事ができました。
αシリーズは高感度なので楽しみですね。
そのままでは赤が強く出てたのでカメラ側のデフォルトで赤を抑えた設定にしていました。
画像処理するので関係ないですが、精神的に楽な感じでした。
あ、Youtubeのブロック解除していただけると。。。直人
いやー、疲れました(笑)
私も以前kissX4改造したのですが、その時は調整しなくて良かったですね。
α7の赤外カットフィルターは1mm強の厚みがあり、もしかしたら屈折率が一般的なものより大きいのかもしれません。
後これもkissの時は軽く外れたのですがα7は手こずった上に破損してしまいました…
次改造する機会があればラッカーシンナー試してみます。
いずれにせよこれにてフルサイズの改造カメラが手に入ったので幅が広がりました。
主に星景写真やタイムラプスで活躍してもらう予定です。
追伸:ブロック解除致しましたので、おそらくコメント反映されると思います。
すみませんがよろしくお願いいたします。