星空撮影にどこまで使える?格安レンズの必要性
最近の超広角レンズはすごく性能上がっていることはわかりました。
しかしその一方で価格もすごく上がっています(価格改定まで来てしまいました)。
買える人はそれでもいいかもしれませんが私のような貧乏人にはかなり厳しいです。
そんな同志に向けて格安レンズはどれくらい使えるのか?紹介しようと思います。
結論から言うとまぁ光学性能は値段なりですが、コスパは抜群のように感じました。
格安大口径 TTArtisan 7.5mm/2 fisheye lens
今回紹介するレンズはこちら、TTArtisan 7.5mm F2 fisheye lens でございます。
各種APS-Cミラーレスに対応しています(円周魚眼としてフルサイズにも使える)。
特徴としては換算で11mm弱と超広角にもかかわらずF2と明るいことです。
それでいて一本約2万5000円という、比較的お求めやすいレンズという点も大変Good!
あとはどこまで写るのか?そもそもちゃんと結像するのか?という点が問題となります。
この辺りを確かめるために星景写真を撮ってみました。
ちょうど夏銀シーズンということで…星空実写テスト
それではいくつか作例を紹介しながら、このレンズの星空適性を見ていきましょう。
なお、各種APSーCミラーレス機に対応しているのですが今回はFUJI X用を使いました。
![](http://astroenif.com/wp-content/uploads/2023/05/DSCF4601-1024x683.jpg)
こちらはいわゆる「新星景」法で撮った一枚。F2.5と明るさを生かしてみました。
しかし後述しますが少し収差が目立ちますね。そこで翌日はF4まで絞ったのですが。。
![](http://astroenif.com/wp-content/uploads/2023/05/lightn-1024x683.jpg)
あまりに空の状態が酷くて処理できない状態だったので比較明でお茶を濁しました。
本来はこちらも新星景法を使う予定だったので天の川の位置が若干中途半端ですね。
データはちゃんと取りましたので今度は隅々まで拡大してチェックしていきましょう。
拡大してみると…? 格安レンズはどこまでやれるのか?
さて、それでは画像を拡大してより詳しくレンズの性能を見ていきます。まずは中央付近。
![](http://astroenif.com/wp-content/uploads/2023/05/center-1024x683.jpg)
いや、普通にこれはすごいレベルだと思います!開放から非常にシャープと言えます!
絞ることで若干シャープになるかな?とは思いますがほとんど違いがわからないレベル。
収差という収差がほとんど見当たらず、充分星空撮影にも使っていけるレベルですね。
また現像パラメータは統一しているのですが流石にF2ともなると星の数が違ってきます。
しかし個体によっては無限遠が出ないこともあるようで、こればかりは運ゲーとなります。
(幸い、自分の個体はレビュー用ということもあってか、しっかり無限が出ました)
中央はとてもシャープということがわかりましたが、それでは周辺の写りはどうでしょう?
![](http://astroenif.com/wp-content/uploads/2023/05/corner-1024x683.jpg)
流石に開放では厳しいですね。2方向のコマ収差に加え色収差も認められます。
F2.5に絞ればサジタルコマフレアは目立たなくなりますがまだ星がボテボテです。
F4になると急にキリッとしてきますがそれでも無収差というわけにはいかないです。
流石にこの辺りは超高級レンズと比べてしまうとかなり大きな差が出てしまいますね。
超広角・明るい魚眼レンズの使い方
ということで大口径・超広角(魚眼)レンズとしては破格の一本を紹介しました。
流石に周辺までシャープとは言えないものの、ある程度星景写真でも使えそうです。
例えば流星ならF2、短時間用のF2.5、じっくり新星景ならF4と使い分けになりそう。
ただし実際に使っていて感じたことが「とにかくワイドすぎる!」ということです。
逆に色々入るしその上魚眼効果までついてくるため、使い所はかなり難しいです。
そこら辺とうまく付き合えばコスパには優れた一本、と言えるのではないでしょうか。
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