最近発売されたTAMRON 12-20mm F2.8 という超広角ズームレンズ。とにかく広く撮れる、フルサイズミラーレス用の一本です。一月ほど前、ニコンZマウント用を先行レビューさせていただく機会を得ましたので、その結果やこのレンズの感想を綴っておきます。
TAMRON 12-20mm F2.8 について
6月頃だったでしょうか・・急に新しい超広角が登場するという話が立ち上がりました。
これは全く予想外だったのですが、正体はTAMROの新しい12mmスタートのレンズでした!
特徴はなんといっても今までにないその仕様、もちろんフルサイズ対応で広く撮れること。
また後で実物をチェックしますが、デザインが一新され「次世代」に移った感があります。
名前も今まで「Diうんちゃらかんちゃら・・」という感じでしたが、短縮されました。
TAMRON 12-20mm F2.8 の主な仕様
| 項目 | 仕様 |
| 焦点距離 | 12-20mm |
| 最大絞り | F2.8 |
| 最小絞り | F16(12枚羽根、円形絞り) |
| 最短撮影距離 | 0.18m(ただしワイド端) |
| 質量(ソニーE) | 570g |
| 対応マウント | ソニーE/ニコンZ |
そして少し前になるのですが、このレンズを実際に使用させていただく機会を得ました。
(今回もタムロン(株)様に貸し出しいただいたものです)
せっかくなので星空を撮ってみた、その感想をここに残しておこうということで、始めます。
外観チェック

まずは外観なのですが、タムロンユーザーなら新デザインとなったことが、一目でわかります。
特にシネマ用とまではいかなくても、リングの山が高くなり引っ掛かりが良くなった点。
スイッチ類がたくさんついて、レンズ単体で色々な制御ができるようになった点が特徴的です。

従来のタムロンレンズと比べて、凹凸が増えたという印象ですね。慣れていないとパッと見別メーカーのレンズと間違えるのではないかと思います汗。これから標準化されればそれもなくなると思いますが。

そしてこのスイッチ類なんですが、操作性が非常に良かった!カチカチやってて楽しいです。
この辺りもかなり気を遣って設計されたようで、その手応えはしっかりと感じた次第です。
ザ・出目金の前玉とシート上フィルター対応のマウント側

そして超広角ですから、使われている玉も独特な「出目金」となっています。
「ぶにゅっ!」とした感じです。もちろん、前玉の方にはフィルター装着できません。
その分、マウント側の方にフィルターホルダーが用意されていて、こちらで対応できます。
一昔前ならリーソフトフィルター、今ならケンコーのリアプロソフトン用ですかね〜
作例
と、レンズの作りについてはこれくらいにして・・早速実写例をいくつか紹介します!
(本当はもう少しいいところで撮りたかったけど、あいにくのお天気だったので近所で・・)
なお、今回は天体改造Z6を使いアストロナイトスケープフィルターを使用しました。
通常、この手のフィルターは超広角と相性が悪いのですが、このレンズはどうでしょうか?

・Nikon Z6 mod. (20sec / ISO3200) / TAMRON 12-20mm F2.8 (12mm F2.8)
まずは縦構図で撮ってみました。電線と街灯がなければなかなかいい場所なんだけど・・
ただ、干渉フィルター使った割には周辺までほとんど問題なく写る点は優秀だと思います。
その甲斐もあってか、光害がかなりある場所でも、しっかり天の川を描写できました。
一方で、この例から夏の大三角が大きく歪んで写っていることがわかりますね。

・Nikon Z6 (20sec / ISO1600) / TAMRON 12-20mm F2.8 (12mm F2.8) / 4-stack
次に横構図です。フィルターの影響もあるのか、ちょっと街灯にはゴースが出ていますね。
ただ画面全体で明らかに星が結像しないような劣化はなく、この点は素直に感心しました。
詳しい写りのチェック!多少の劣化はあるものの・・
それでは、このレンズのデータ的なものをご覧いただき、詳しい性能を見てみましょう。
・干渉フィルター使用時の色むら

・Nikon Z6 mod. (120sec, ISO3200) / TAMRON 12-20mm F2.8 (20mm F2.8)
まずは干渉フィルター使用時の色むらですが、補正しないと上のような感じで目立ちます。
この例は20mmを使いましたが、12mm側も似たような状況でした。
そこそこの強調であれば円形グラデなどで対応できますが、炙り出すならフラット必須です。
どうにもならないという感じではないですが、画像処理は多少面倒になるかと思いました。
・12mm V.S. 20mm 四隅等倍像

次はワイド端、テレ端でそれぞれ四隅等倍像を作ってみました。
これを見る限り、基本的にはテレ側の方がよりシャープに写るという印象ですかね。
ワイド側に関しては等倍だと明らかに星が伸びますが、テレ側は周辺までほぼ許容範囲内。
ただわずかにですが片ボケがあり、東寄り(画像左側)の方が星が伸びている印象はあります。
・絞った時の変化


さらに絞った時の変化も見てみました(正直、F2.8から絞るとかなり暗くなりますが)。
いずれの場合も1段絞ることで中央から周辺まで、確かにシャープになることがわかります。
ただ特にワイド端に関してはフィルターの影響を受けやすく、大幅な改善は難しいようです。
いずれにせよ少し非点収差は残ってそうですし、これなら開放の方がいいような気もします。
まとめ
いかがだったでしょうか?写り自体は干渉フィルターを使うと多少の劣化が認められます。
ただ、コンパクトな超広角という非常に悪い条件の割には健闘した方だと思います。
色むらの補正こそ必須ですが、これなら十分使えるレベルだと思います。ただし・・
1本約30万円
というお値段がちょっと気がかりになると思います。純正と遜色ない価格設定ですし。

このレンズを買うなら、12-14mmを積極的に使う予定が必要でしょう。特にNikonの場合は14mm以上の超広角は現状、これしか選択肢がありませんし(Sonyはでかいけど12-24mmが存在する)。
F値も2.8とミラーレス時代では平均的な明るさなので、暗所にすごく強いわけではなく。
その辺り諸々をよく考えて、どうしても超広角!という方が求める一本だと思いました。

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