発売以降、価格以上の性能で使いやすいフルサイズ入門機として人気を博しているニコンZ5II。ただしセンサーはZ6と同じような仕様です。そこでバイアスとダークノイズを比較して調べてみました。おおよそ予想していた通りの結果でしたが、古いカメラの欠点も見えてきました。
Nikon Z5II というカメラ
発売以降、新たなフルサイズ・スタンダード機としては人気を博しているニコン Z5II。
僕もニコン様より貸し出しいただき使用する機会をいただく事ができました。
色々なシーンで写真や動画の撮影を試してみましたが、何度か星空に向けることもできました。

ただ・・天体用としては以前にも紹介したように、だいぶ前の機種Z6と違いはなさそうです。
というのもセンサーは2400万画素・裏面照射型フルサイズで仕様は変わらないからです。
しかしながら同じセンサーという保証はありませんし、フィルター特性も違うかもしれません。
また処理部分の回路等が変更されているはずなので、ちょっとした調査をしてみました。
バイアスとデュアルネイティブISO
まずは「バイアス」テストをしました。
この辺りの説明については以前Z6IIIでも同じようなテストをしましたのでご覧ください。
さて、Z5II及びZ6でシャッタースピードを最速の1/8000secにしてバイアステストしました。
バイアス値はPSの「平均レベル」としました。その結果を以下のグラフにまとめてみました。

いかがでしょうか。まずはISO800でベース感度の切り替えが行われている事がわかります。
これは最近のセンサーでは当たり前になっている、デュアルネイティブISOの兆候です。
また高感度側ではZ6の方がやや出力レベルが低めに設定されているようです。しかし・・
Z5IIおよびZ6の間に明らかな差はない
とみても良さそうです(特性も類似していますので同じセンサーじゃないかと思っています)。
ダークノイズの比較
次にダークノイズを比べてみました。これは星を撮る人間ならついついやっちゃうテストですね(笑)
今回は、露光時間:630sec / ISO:3200 / 環境温度:5℃ という条件での比較です。
また現像時にわかりやすくするため、PS2025にて露出を+5.0としました。結果は・・


いかがでしょうか?これは大きくはないものの、明らかな違いが見てとれると思います。
Z5IIの方が全体に暗い、つまり低ノイズ
という事がわかります。ただし全てのボディについて、この結果を保証するものではありません。
まず、センサーにも個体差がありますのでモノによって良し悪しは必ずあります。
次に僕のZ6は発売からだいぶ経過しており、センサーが経年劣化している可能性も否めません。
実際、ライブビューでもデッドピクセルがかなり多くなってきたことがわかるくらいです。
そういう意味では買い替え先に、Z5IIが用意されているという点に感謝すべきかもしれません。
このセンサーは特にViltrox16mmと相性が良く、星景やタイムラプスで重宝していますので。
以上、Nikon Z5II と Z6 のセンサー特性を比較して思ったことをまとめておきました。
コメント
比較記事有難う御座いました。
Z6のHKIR改造機を使っていますが、本記事のおかげでZ5Ⅱの購買欲が抑えられました。
いえ!こちらこそコメントありがとうございました!
確かにZ6よりZ5IIの方が使いやすくはなっていますが・・画質はほとんど変わらないです。
天体写真のこと「のみ」考えるならHKIR改造されているという事ですし、新規購入する意味は薄いでしょう。