モノクロ冷却カメラはデジカメより結果的に、楽

天体写真(機材)
昨年から天体写真の撮影に使うカメラを、いわゆるデジ一から専用のモノクロ冷却に切り替えました。準備はものすごく面倒ですし、使用するにあたって知識は必要なのですが、最終的には専用カメラの方が使いやすいように感じる今日この頃です。

デジタル一眼からモノクロ冷却へ

昨年からメインカメラを、デジタル一眼レフカメラからモノクロ冷却へ切り替えました。

元々計画はしていたのですが、最終的に背中を押したのは星景写真用のレンズです。

ボディの方はD810Aがいまだにノイズも少なく、素晴らしいカメラだと思っています。

ただレフ機からミラーレスが中心になり、レンズの進化が凄まじくまさに隔世の感があります。

Nikon Z7II / NIKKOR Z 20mm f/1.8 S / 10sec / F1.8 / ISO6400

上のはその典型例ですが、開放F1.8で周辺までほぼ破綻の無い星像を得ることができます。

一眼レフ用のレンズはたとえ「神レンズ」でも「周辺は仕方ない」と割り切りが必要でした。

それがもはや比較的安価なレンズでも周辺まで使える時代となり、一眼レフを諦めました。

ところが。現時点で購入できる天体専用モデルのミラーレス機は、1機種しかありません。

しかもセンサーサイズは一回り小さいM4/3、かつ値段も30万円近くと非常に高価です。

もちろんこのカメラならではの利点もありますが、画質自体はD810Aの方が良さそう・・

(ちなみにキヤノンから発売されていたRaはすぐに生産終了、今や幻のカメラになりました)

こういった背景や偶然、必要なフィルターが手に入った事を踏まえ、冷却に移行しました。

原理的に偽色が出ない

それから約一年間、基本的には星空だけを切り取る時には、モノクロ冷却を使っています。

使っていてまず思った事は、偽色が出ないという事です。モノクロLRGB法だとこんな感じ。

デジカメでは「どぎつい」グリーンやピンクなど、本来の星の色からかけ離れた色が出ます。

これはベイヤーセンサーの仕組み、またプロセッサーによる画像処理が影響しています。

高画素機を使う、ディザリングをするなど対策はできますが、余計な手間が増える感覚です。

対してモノクロセンサーでLRGB撮影法を使えば、原理的にこのような偽色を回避できます。

(ただし、処理がまずいと色毎のノイズが残る。上の例でもやや輝点ノイズが残っている。)

リングパーツが自由自在、調整も可能

市販のデジカメはそれぞれ「マウント」という規格が決まっています。

このメーカーは内径がこれで、またフランジバックはこれで・・とそれぞれ決まっています。

そしてその多くは「バヨネット」が使われているのですが、これが文字通り「曲者」です。

Tリングにガタがあったり、何度か取り外しするうちにどんどん歪んでいったり・・

多分、世の中に出回っているカメラボディの多くはおそらくほぼ、この歪みを持っています。

普段は問題にしないことも多いですが、星は「スケアリングエラー」として顕在化しやすい。

また、これが狂っているとほとんどのケースで調整不可能で、どうしようにもありません。

一方で専用カメラであればその調整機構を設ける事もできます。特注にはなりますが。

これにより周辺までしっかりと、ほぼほぼ光学系の持つ性能をフルに引き出す事ができます。

ただし調整はそれなりに大変なので覚悟は必要ですね(自分もまだ100%ではありません・・)

ダークやフラットなど、一次処理が楽

そしてこの点が決定的なんですが「ダークやフラットなど一次処理が楽」だと感じます。

その理由をいくつか考えてみたのですが・・

i)環境温度を整える事ができる

まずは環境温度を整えられる事。冷やす事と同じくらいに大事だと思っています。

こちらで指定した温度を毎回再現する事ができ、ダークやフラットダークを使いまわせます。

デジカメではこれを整える事がかなり大変で、完全に合わせる事はまずできないでしょう。

ダークが狂っているとフラットも上手くいかず・・と、ドミノ倒しになっていく場合も・・

ii)調整がしっかりされている

これはリングパーツの話と共通する事ですが、調整をしっかりする事ができます。

可能であれば当然、実行します。これによりフラットが合いやすくなったように思います。

また、やはり下手なTリングを使うと光漏れなどが起こり、長時間露光に悪影響が出ます。

iii)Artifact?

そしてもう一つ、こちらの影響も強い画像処理をかける場合には無視できないようです。

「Artifact」と呼ばれている現象らしいのですが、光の強さにより背景パターンが変化。

結果としてリング状のパターンを除去する事ができず、背景ムラとなってしまうのです。

どうやらRAWとはいってもある程度の画像処理されている事がその原因・・

特にニコン機でこの現象が起きやすいようで、画像処理が難しくなる事もあるようです。


いずれにせよデジカメは「ブラックボックス」という側面もあり、危うさも含んでいます。

その点、モノクロ冷却は素直に1:1で出力してくれるので、結果として処理は楽に思います。

(ただしABG付きのカメラはハイライト側が飽和しやすいため、注意が必要となる。)

結論:ディープスカイはモノクロ冷却で!

最近登場したフルサイズ4400万画素の冷却カメラ。従来機より、少しお求めやすい価格設定です。モノクロ版が登場したら欲しい(QHY11をカラーに割り当てるとちょうど良い)

色々とぐちゃぐちゃ勝手に語りましたが、いずれにせよ結論としては

ディープスカイはモノクロ冷却

です。確かに運用面では大容量バッテリーや大量のコードが必要と、かなり苦労します。

しかし特に「一次処理の再現性が高い」ため、トータルで考えると結果、楽なことも多いです。

これからしばらく、余程のことがない限りはモノクロ冷却・LRGB法で撮影しているでしょう。


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