「スマート望遠鏡」というタイプの、初心者の方にとっても使いやすい、ほとんどスマホから操作できる望遠鏡が登場して数年が経ちました。その中でもDWARF3は比較的「撮れる」望遠鏡です。この度、機能のアップデートに加えアマゾンジャパンで取扱開始したようなので、それらを紹介しておくことにしました。
スマート望遠鏡 DWARF 3
DWARFLABさんから発売されているスマート望遠鏡「DWARF 3」。
コンパクトな設計ながらも、天体撮影にそこそこ使えるとの評判になっていて
それは赤道儀モードが標準装備されており、1枚当たりの露出時間を伸ばせるからです。
この手の望遠鏡は経緯台として動作することが多く、時間かけてもSNは上がりにくい・・
それに対してDWARF 3は長秒露光の効果を実感しやすい、スマート望遠鏡です。

さらにアプデにより、露出も最長60秒から120秒へ、もっと長く設定できるように。
また星消しなどの画像処理も簡単にできるようになり、さらに進化したという印象です。
加えてAmazon.co.jpでも取扱開始され、入手も容易になりました。
そこで以前、DWARFLABさんからご提供いただいた一台を、改めて紹介しておきます。
赤道儀モード使用時はバランスに注意しよう!
セッティングなどはおそらく画面に従って操作すれば、ほぼ誰でも再現できるでしょう。
スマート望遠鏡ってそういうものですから。ただ、DWARFアプリはやや癖が強いかな。
それは置いといても赤道儀モードを使う場合、気を使わなければならない事があります。
特に最長の120秒シャッターはかなりシビアですね。基本は普通の望遠鏡と同じです。

自分の場合まず、10cmクラスに対応した比較的パワーのある経緯台を用意しました。
ちなみにこれはNew KDS経緯台・改で半ば特注品のようなものです。
入手しやすいものであれば、例えばビクセンのポルタやSVBONY SV225でしょうか。
いずれにせよ「下はガッチリ」固定できてかつ、微動装置があった方がいいと思います。
極軸を追い込む時に微動があるとないとでは、導入精度が全く変わってきますからね。
またカウンターウェイトを使うため、スカイウォッチャーの雲台も活用しています。
正直、こちらの微動部分は不要なのですが、手持ちにあったのがコレだったのです。
ネジ径もW1/4ですから、DWARF 3にも対応しています(底面のネジはW1/4です)。
とにかくポイントは「カウンターウェイト」で、これを使うことでバランスが取れます。
バランスが良いと導入も楽ですし、何より安定して撮影するためには必要不可欠です。
120秒露出で撮ってみた(アンドロメダ銀河 M31)
それではこの状態で撮ってみましょう。1枚あたりの露出時間はもちろん、120秒です。
なおスタックは最大999枚まで可能で、実質一晩中の撮影に対応しています。結果。

ウォーターマーク機能も追加され、これを使うと設定などを自動で表示してくれます。
画像処理もしてみたのですが、正直、自動処理とあんまり見栄えが変わらなかった^^;
この望遠鏡は「撮って出し」もしくはアプリ内の画像処理機能を使った方が良さそうです。
簡易調整はもちろん、星消し機能で星雲のみを抽出することもできるようになりました。

僕としてはこれを完成形にすることはないですが、マスク作成が簡単にできてしまう・・
星消しのためのプラグインはそれだけで数千円しますが、こちらのアプデはなんと無料!
ただし素材をアップロードしなくてはならないようで、使用時にネット環境は必須です。
お手軽だけど本格派!課題もあるがコスパは抜群

とにかくDWARF 3は「お手軽な本格派」というイメージです。
冬にはバラ星雲を紹介しましたが、その時はまだ露出時間の上限が60sでした。
それでもスマート望遠鏡にしては良く写るという手応えでしたが、さらに進化しました。
ただし・・露出時間を伸ばそうと思うとそれなりに対策は必要だと思います。
しかし対策しても風など「望遠鏡を揺らす」要因があるとダメです。今回のM31も・・

実は風が強くて全然スタックできませんでした。30分撮ったのにその大半が「failed」。
実際に画像をチェックしてみると7割以上の画像で星が流れていました。どうも
DWARF 3 は保持力が弱い?
ような気がします。モータートルクが小さいのか、とにかく振動に弱いという印象です。
この辺りは今後、新しいモデルが登場するなら改善して欲しいポイントですね。
もしくはせっかくのニ眼ですから片方をガイド用にするとか、何らかの対策が欲しいです。

しかしこれほどいろいろな事ができるスマート望遠鏡は、そんなに多くありません。
太陽撮影用のNDフィルターもついてますからね。日食遠征などでも活躍しそうです。
(友人のアメリカ遠征の時にDWARF 3があったら良かったのになぁ)
一台約8万円ということを考えたら、コスパは非常に良いと言えるのではないでしょうか。
注1) DWARF 3 はDWARFLAB様よりご提供いただいた製品です。
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