Photoshop のAI画像生成(ベータ版)
まずは次の画像をご覧ください(元の写真は昨年桜の時期に撮影した星景写真)。
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これ、画像の一部分をAI画像生成で構築しました。どこがその該当箇所だかわかりますか?
ーAI、すなわち人工知能の発展は目覚ましいものがあります(正直、怖いレベル)。
近年ではクリエイティブな活動を行うAIも多く、活用される分野も飛躍的に増えました。
そして数日前、Photoshopにもまだベータ版ですがついにAI画像生成が実装されました。
これによって画面外への拡張やオブジェクトの追加などが簡単にできるようになりました。
そこで天体写真でも早速AI画像生成を試してみましたので、その結果を紹介します。
Photoshop ベータ版の導入方法
まずは導入方法についてです。Adobeクラウドに入ってアプリを確認しましょう。
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ここでベータ版アプリからPhotoshop(Beta)をインストールしてください。
数分後、何も問題がなければ無事インストールされているはずです。
なお通常版のPSにはまだ対応していないので使用する時は間違えないようにしましょう。
超簡単!AI画像生成の使い方について
さて、それではベータ版(白背景のPs)を立ち上げて適当な画像を入れてみましょう。
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まずは投げ縄ツールなどの選択ツールで画像の一部分を選択状態にしてください。
ここで「生成塗りつぶし」が出てきますのでクリックしてください。そうすると
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このように「単語」を入力するダイアログが立ち上がります。
今の所英語のみとなりますが簡単で状況に合うような英単語を入れてみます。
ここでは「Mountain」としてみました。さらにいくつかオブジェクトを追加して
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このようになりました。ぱっと見ではこの光景が本物だと思う人も少なくないでしょう。
AI画像生成の面白さと危険性について
他にも海辺でキャンプしているイメージを作るためテントを追加してみました。
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やや不自然にテントが明るいですが、生成・合成としてはなかなか悪くないと思います。
いずれにせよ割と簡単に任意のオブジェクトの生成ができてしまうことがわかりました。
過去の写真で色々遊べてしまうので、梅雨時期の遊びとしてはなかなか面白いと思います。
一方で危険性も孕んでいる機能です。それは簡単に「偽」の写真が作れることです。
例えば地上景色が全く映っていないような星野写真でも山を追加することができます。
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恐らくこれを「新星景法で撮りました」と主張すれば騙される人も出てくるでしょう。
よく見ると粗が多く不自然なポイントにも気付きますが、そこに気付ける人はどれ程か。
もしかしたら過去にあったようなフォトコンでの不正がまた起きてしまうかもしれません。
最後に個人的な感想ですが面白いんですけど、あくまでアートやCGの一分野に思います。
冷静になると「天体写真」と言われたらそもそも分野自体が違うような気がします。
あくまで「天体」はその時その場所で一定の科学的根拠に基づいて「合成」されるべきです。
科学誌、例えばネイチャーではAIで生成した画像の使用を禁止した、とのことです。
天文雑誌がどう対応するかわかりませんがAI OKの分野と切り分けが必要かもしれません。
また当面はこの機能を使った場合「AIを使いました」と注意書きが必要かもしれません。
さらに著作権とか様々な難しい問題もありますが、それは自分の範囲外なのでパスで^^
とまぁ最後はぐだぐだと綴りましたが梅雨時の遊びとしては面白いのではないでしょうか?
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