本来であれば満天の星空の下、撮影したいものです。しかし中々難しい事もまた事実。得に光害の影響が大きい日本では、さまざまな工夫が求められます。その一つがナロー系のフィルターですが、今回はSVBONY SV220を試用してみましたので、雑感をまとめておきます。
SVBONY SV220 フィルター (3nm)
月明かりのない快晴の空に、ギラギラと輝く星々。粒立つように見える、天の川・・
毎回毎回、そのような撮影地で撮りたいのですが、中々叶わないこともまた事実です。
現実的にはお住まいの地域次第ですが「光害」を避けられない方が大多数だと思います。
そんなときに役に立つフィルターがいわゆる「ナローバンド」フィルターです。

今回、昨年発売されたばかりの「SVBONY SV220」を試用させていただきました。
実際にある程度露出もかけてテスト撮影も行ったので、その雑感などをまとめておきます。
半値幅3nm!HαとOIIIを透過するデュアルバンドパス
このフィルターの特徴は、何といっても極端に帯域を絞った3nmタイプであるという事。
そしてHαとOIIIに鋭い感度を持つ、デュアルバントパス型であるという事です。
デジカメ等、カラーカメラを使うことで「なんちゃってAOO合成」もできてしまいます。
このようなフィルターのメリットとデメリットを書き出すと、次のような感じになります;
メリット
- 星雲のみを抽出可能。
- 光害地でも背景と星雲を分離する事が容易になり、カブリも大幅に低減できる。
- 光学系の性能が多少低くても活用できる。(2色、色消しされていればじゅうぶん)
デメリット
- Hα(このフィルターの場合はOIIIにも対応)を発している天体しか撮れない。
- とにかくシグナルが上がらない。低ノイズ化=冷却と、長時間露光した方が良い。
- 光学系によっては色斑が出る。特に広角系や光を折り曲げるタイプは要注意!
とにかく、光をバッサリカットすることが大きな特徴ですね。実際に望遠鏡に入れると

このような感じになり、まるで金属のように光っていることがわかります(ナロー系共通)。
なお、望遠鏡はSV555でM48フィルター内蔵可能の為、このように装着する事ができます。
光害地からでも星雲が炙り出せる!(撮影結果)
それでは実際に撮影してみましょう。まずは撮影地の様子をご覧ください(北西の空です);

この場所はそこそこ見通しが良く、天の川も肉眼で見えるなど近場にしては良い所です。
ただし近くの県道に夜間でも車が走る事、さらに干拓地なので標高が低く空は眠い。
正直言って、天体撮影にオススメできる場所ではありません。そんな場所で・・

SVBONY SV555 / QHY11 / Astrodon-L / Gain25, Offset114 / 600sec
軽い調整でこれだけ炙り出せます。
バラは明るいですが、クリスマスツリー付近はかなり淡いので、よく写ったと思います。
しかもダーク減算やフラット補正、加算平均コンポなど、一次処理をしていない段階です。
何といっても近場の撮影地でこれくらい炙り出せるのだから、ナローはすごいですね!
一方でとにかく露出時間が必要です。10分露出してもまだヒストグラムは左側ベッタリ。
ナロー系のフィルターはシグナル数が不足しがちですが、今回もやや露出不足に感じます。
(あと、フィルターとは直接関係ないですが、構図はもう少し北に振るべきだと思います)
まとめと告知
いかがだったでしょうか?何といっても、この手の狭輝線フィルターの良いところは
光害地から星雲を炙り出せる(ただしHα等の輝線成分が必要)
事です。これができるようになると、撮影の幅や機会がぐっと広がることを実感できます。
例えばLRGB成分は光害が少ない、撮影地までいわゆる「遠征」をしてデータを撮る。
さらにSNを稼ぐため光害地ではSV220を使って撮影し、それをL成分に加算平均する。
それだけではありません。満月前後で快晴に恵まれたときにも、活躍してくれます。
いずれにせよ、新月前後で遠征地のみという「しがらみ」からある程度、解放してくれます。
それを2万円以下で入手できると考えたら、中々スグレモノと言えるのではないでしょうか。
告知
と言うことで今回紹介したSV220。現時点ではまだまだテストショットしたにすぎません。
データもある程度撮ってきましたので、まずはモノクロでバラ〜クリスマスを仕上げたい。
さらにデジカメを使って撮影し、カラーだとどうなるか?LRGB+SV220はどうなの?
等々、色々思い付きます。検証はおいおいになりますが、いずれ動画にまとめる予定です!
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