光軸調整されたコンデジ Sony RX1R III (RX1RM3)

天体写真(機材)
超高級コンパクトデジタルカメラSony RX1III(DSC-RX1RM3)を使用させていただく機会がありましたので、試しに星空に向けてみました。このカメラは一台一台、ミクロン単位で調整・出荷されていると言うことですが、果たしてその効果を実感できるでしょうか・・?

超高級コンデジ Sony RX1R III

レンズ一体型カメラ、またはコンパクトデジタルカメラと呼ばれる製品があります。

どちらかといえば気楽に使う、安価なカメラというイメージが「昔は」強かったです。

ところがそれらはスマホにほぼ置き換わり、逆にプレミアムな製品が増えてきました。

そんな中、フルサイズセンサーを搭載しさらに贅を尽くした一台が登場します。

Sony RX1R III (RX1RM3)

このシリーズは「プレミアムコンパクト」とも呼ばれるみたいで、本当に高価なコンデジ。

さらに今回に至っては一台一台ミクロン単位で調整された日本製カメラとなっています!

そしてこの度、運良く使用させていただく機会を得ましたので、レポートする事にしました。

Product lent by Sony Marketing Inc.

基本的にはスナップシューターです

RX1RIIIはいわゆる「スナップシューター」と巷で呼ばれるカメラです。

手持ちで気が向いたらカメラを向け、シャッターを切る。撮影するという行為を楽しむ。

それが存在意義でしょう。実際に自分も商店街をぶらぶら歩きながら写真を撮りました。

確かにこれはこれで楽しい。モノクロで撮りたくなってしまいますね〜

ある程度性能についても窺い知ることができて、少し絞るとシャープになる印象でした。

実際にある程度パンフォーカスにしたかったので、F8中心にしましたがとにかくシャープ。

逆に開放付近だとやや収差が残っている為か、若干ソフトに描写されるという感覚でした。

ま、星を撮れば一目瞭然ですけどね!

という事で、せっかくですから星空実写テストの結果をご覧いただきましょう〜

高画素ならではの粒々感!ただし収差はある程度残ります

それではまず、全体像からご覧いただきましょう。冬の大三角を撮影してみました。

Sony RX1RIII / 35mm F2.0->3.2 / 300sec / ISO1600 / SS-one tracker

やはり6000万画素だけあって非常に星が粒々としています(この画像は圧縮されていますが)。

赤い星雲の写りに関しては一般的なカメラであればこの程度でしょう。

ちなみに撮影当日、霧が出ていたようでそれに光害が反射して、酷い状況になっていました。

本当はちゃんと仕上げたものをご覧いただきたかったのですが、ちょっとこれは無理です・・

ただ、絞りを変えてテストすることはできましたので、次にその結果をご覧いただきます。

F2

F2.8

F4

確かにミクロン単位で調整された効果はありそうです。

それは「星の崩れ方」でわかるのですが、大まかに中央から放射状に流れていますよね?

これがいわゆる片ボケだと片方シャープ、もう片方ボケボケみたいな状態になります。

そして悲しい事に世の中の光学製品はたいてい「範疇です」と言われていまいます・・

しかし流石にRX1RIIIは一味違う。ちゃんと光軸調整されているな、といった印象です。

(逆に言うとしっかり調整したものを世に送り出そうとすると、これだけ価格に添加される)

スナップ写真の中から周辺部を切り抜き。色収差が見える(彩度+15)。

ただし、完全に無収差というわけではないようです。むしろ開放付近では色滲みが多め。

これはスナップ撮影していた時から感じていましたが、星空でも認められたしだいです。

絞っていくとサジタルコマフレアは減っていきます。一方で放射方向は大きく変わらない。

従ってこのレンズは非点収差が残っているのではないかと、推察されます。

撮影時に感じた良いところ・悪いところ

これはついでの話ではありますが、RX1RIIIのユーティリティ面について感じた事を・・

まずご覧いただくとすぐにわかるのですが、シャッターボタンにネジが切ってあります;

これはとどのつまり、機械式のレリーズも使用可能!ということを意味します。ただ・・

引っ越しの時に何処かへ行ったらしい

ようで、見当たりません。新しく買ってもいいんですけど今後、使用機会があるかどうか。

そんな方に朗報です。レリーズを無くしてしまった時はご家庭にあるもので対応できます。

まずはシャッターボタンのネジ穴にツマミ付きネジを取り付けておきます。そして・・

はい。輪ゴムと割り箸。

ご覧ください!この高級コンデジにあるまじき姿を!ただ、完全におふざけでもなくて・・

なんと30年以上前の天文ガイドにも紹介された(らしい)伝統的な方法なんですよ。

こうすることでバルブ撮影時の長秒露光が可能となり、たっぷり光を取り込めるのです。

え?無線使わないの?と思われるかもしれませんが、今回は以下の理由からやめました。

まず、無線は不安定で急に落ちることもしばしば。そしてもう一つ、こちらが主な理由ですが

バッテリー消費が激しくなる

ためです。そしてRX1RIIIはかなり容量の小さいバッテリーが使われていて、非常に厳しい。

その上冬場ともなれば無銭無しでも30分くらいしか持ちません(70%台から急に落ちる)。

どうやら寒さには弱いようで、氷点下を下回ると「落ちる」現象が発生するようです。

対策するには電池室を少し温めてやるか、給電撮影でもするしか無いと思います。

まとめ

いかがだったでしょうか?せっかくの機会なので超高級コンデジで星空を撮ってみました。

正直、かなりお高い上に改造もできないため、星空用としてはお勧めしません。

同じ金額ならもっと良い組み合わせもありますし、コスパはかなり悪い一台だからです。

それでも「一台一台調整した」と言うだけはあって、光軸はビシッときていて気持ちいい。

世の中に出回っている光学製品とは一線を画すもので、それを実感できて良かったです。

逆に言うと、これだけの品質を担保するためには相応のコストがかかるという事です・・


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