冬のバラ祭り(スマート望遠鏡 V.S. モノクロ冷却カメラ)

天体写真(写真)
そろそろ目立つ星雲が、夜明け前には西へ沈むようになってきました。

今年も撮影シーズンがひと段落(真冬は寒すぎて出かけたくない!)する頃です。

本当にトラブル続きで今年は(も!?)まともに撮れていないですが

バラ星雲に関しては製品レビューも兼ねて何枚も撮りましたので、ここにまとめておきます。

スマート望遠鏡 DWARF 3


Shutter:60sec, Gain:120, Stacked:90, Filter:Astro (総露出時間90分, PSで画像処理)

まずはスマート望遠鏡 DWARF3での撮影です。

この望遠鏡のすごいところは放置撮影でこんなに写っちゃうということ。

さらに赤道儀モードを備え、1枚あたり最長60秒の露光ができる点も大きな魅力です。

今までこの手の望遠鏡はスタック枚数は多くできても「露出」は制限がありました。

その点 DWARF 3はフォーク式で追尾できるため、写りが大きく改善されております。

いやー、もう星雲撮影ってこれでいいんじゃないかな・・と思わされたくらいです。

SVBONY SV605MC+SS13028HNT(白黒冷却+写真鏡)


SS13028HNT / SV605MC (-10℃, Gain:140, Offset:40) / Astrodon LRGB (L:300X10sec, RGB:300X2sec, ビニング)

SVBONYさんにSV605MCをレビューさせて欲しい!とワガママ言ったらなんと!

応えていただきました(スミません)。そのレビュー用に撮った一枚です。

うん。やっぱりモノクロ冷却はよく写る。

ただSS13028HNTはホントに扱いが難しくて、これもよく見ると片ボケですね。

最もリングパーツの関係でスケアリング調整が難しく、これはカメラ側の課題でもあります。

Hαフィルターによる撮影とカラー画像へのブレンド


SS13028HNT / SV605MC (-25℃, Gain:140, Offset:40) /Astrodon Truebalance Ha 3.5nm (600X8sec)

これはさらにモノクロカメラという特徴を活かし、Hαでナローバンド撮影したものです。

しかも光害地から。やはりこういう時はモノクロ冷却+ナローの独壇場になりますね!

(市街地とは言っても空が良ければ天の川見えるんですけど。ええ、田舎なもので。)

モノクロの効率の良さ、また外気温ー30℃まで冷やしたことでしっかり撮れました。

さらに3.5nmタイプのフィルターですから星がとてもシャープに写っていますね。

これを・・


L画像にHα画像を加算平均合成(RGB成分は同じものを使用)

先ほどのLRGB画像にブレンドしてみました。星が一段と引き締まりましたね!

またバラのSNも大幅に向上しており、非常に滑らかに表現することができました。

ただし赤成分が強い事、またLとHαの星サイズが違いすぎて、やや不自然に見えます。

よって改善の余地はありますが新たな撮影法手に入れたという意味で大きな進歩でした。

LRGBを一度撮影しておけば、あとはそこらでナローバンド撮影すればいいのですから!


ということで今年の冬は製品レビューも兼ねて、バラ星雲を撮り続けていました。

特にSV605MCは予想以上に優れたちゃんと使えるカメラで、驚きましたね。

スマート望遠鏡の気軽さもいいですが、やはり極めるならモノクロ冷却になるかと思います。

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