しぶんぎ座流星群2023活動報告

天文現象

今年のしぶんぎ座流星群について

年始の定例天文イベントといえばしぶんぎ座流星群です。

昨年は「深夜」と「明朝」を取り違えてとんでもない失態をしてしまったのはあまりに苦い記憶。

今年こそは観測を行おうということで岡山の天文友達と元旦早々約束の地へ集合しました。

しかし今回のしぶんぎ座流星群はピーク時刻が1月4日午前12時(日本標準時)頃でした。

つまり写真撮影を始め光学観測はあまり向かない、条件のあまり良くない流星群でした。

従って昨年もそうでしたがアンテナを立て50MHzの電波を受信、いわゆるHROで挑みました。

しかも豪華に5素子八木アンテナ2本!高い感度で観測できると期待しましたが、果たして…?

とんでもない数の流れ星!ピーク時には1時間に約100個

早速ですが観測結果です。まずはピーク時の様子からご覧ください。

ピーク時刻付近のHROFFTの画面。流星で反射した電波が受信されると800Hz付近の音声が検出される。

これはHROFFTと呼ばれるソフトの画面なのですが流れ星が受かると800Hz付近の音声が出ます。

これを音声周波数付近のダイナミックスペクトルとして記録したものになります。

普段は5,6個程度の流れ星しか検出されないのですが明らかに普段と違う様子が見て取れます。

正直、数えていて嫌になるレベルでしたがそんな経験はじめてでした。

そして約15時間の観測を行ったのですが、それらを集計し次のようなグラフを得ました。

しぶんぎ座流星群2023集計結果。1月4日10:00頃にピークを迎え最大100個近い流れ星を検出できた。

この図からピーク時には1時間で約100個近くの流れ星を検出できたことがわかります。

また夜明けと共に数が増えていますので、電波でなくては検出できなかった流れ星となります。

従ってしっかりとしぶんぎ座流星群の活動を捉えることができたといえるでしょう。

昨年はとんでもない失態で逃してしまいましたがそのリベンジは果たしたと言って良いでしょう。

少し後悔もあります

ということで本年一発目の天文イベントはしっかり捉えることができました。

しかしちょっとした後悔もありまして、観測データとしてはピークアウト後も欲しいところ。

それどころか前後数日間記録すべきなのですが、色々な都合上それは叶いませんでした

(現在、割れた歯の治療中で定期的に歯科へ通わないといけないので…)。

またダメもとでカメラも回していたのですが目立った流れ星は見つかりませんでした。

今回は月もかなり明るかったですし「まぁしょうがないなぁ」と諦めは簡単につきましたが。

ただ3大流星群については毎年安定して出現するのでいつかチャンスはやってくるでしょう。

マニアックすぎるおまけ:今回の本当の目的

以下マニアックすぎるおまけ(おまけなんですが本当の目的はこちらでした)。

2本のアンテナによる干渉計
加算型干渉計による飛行機エコーのシミュレーション

今回の実験の本当の目的は2本のアンテナを使って干渉計として動作させることでした。

電波はほぼ波なので干渉という現象を起こします。

これにより電波の到来方向によって強弱パターンが生成されることになります。

今回の仕掛けではおそらく飛行機が横切る時にそのパターンが出るだろうと予想しました。

そして実際に観測されたものがこちらです(もちろんこれは一例で何度も検出しています)。

2本のアンテナによる飛行機エコーの干渉。ほぼ予想通りの干渉パターンが現れた。

ほぼ予想通りの干渉パターンが出ており、装置が動作していることが確かめられました

(完全に対称とならないのはアンテナビームの歪みや電波強度自体の変動のため)。

これで満足したので引き上げたのですが、今思うともう少し観測を続けるべきだった…

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