反射望遠鏡専用フードの作り方(SS13028HNTの場合)

天体望遠鏡
反射望遠鏡にはフードがありません。従って多くの方が自作されているのですが、自分もこれに倣うことにしました。それにしてもSHARPSTAR130は設計がギリギリで、かなり苦心することになりました。ここではフードの材料や大まかな作り方、その効果について紹介します。

光学系の必需品;フード

(レンズ)フードは特殊な場合を除き、光学系の必需品とも言えるアイテムです。

ただし反射望遠鏡には標準装備されておらず、多くの場合で自作が必要になります。

特にSHARPSTAR13028HNTの場合は・・

スパイダーが剥き出し、その上補正レンズも開口部に近く、非常に迷光が入りやすい。

後でご覧いただきますが、何も対策しないとまともに長時間露光できません。

そこで重い腰を上げて専用フードを自作することにしました。

具体的な構造と材料の追加

以前、こちらの記事でフードのベース部分をチラッと、ご覧いただきました。

この時はまだ巻き段を数回巻きつけただけで、まだ具体的な完成形は見えていませんでした。

というか遮光リングの配置とか、全然決まっていない状態でした・・

そこで改めて配置図を一応、計算して書き起こしてみるとこんな感じになりました。

リングの数は3枚。F値が小さいためか、先端の方はかなりほっそいリングになるようです。

何度も計算してみましたが結果は同じで、改めて特殊な設計の鏡筒だと思わされました。

ちなみに遮光リングはよく使われる「PPクラフトシート」を採用しました。

制作の過程

出来上がっていく過程をダイジェストで・・(Xではちょくちょく進捗上げてましたが)

・まずは巻き段を何度も巻きつけて必要なサイズまでかさ増し。できたら塗装します。

当然ですがスプレーは艶消しブラックを使いました。

反射防止はもちろんのこと、気は心程度かもしれませんが、強度アップも兼ねています。

・その上から銀マットを切り抜いて巻き付けます。

・遮光リングを切って入れていきます。カットには定番のサークルカッターを使いました。

この時、リング支えとして2周ほど巻きダンを内側に貼り付けておきました。

その上にリングを配置することで捩れが少なく、ちゃんとした位置に簡単に配置できます。

なお、リングの固定には超多用途接着剤なるものを使用しました(PP対応しています)。

・最後に内面を艶消しブラックで仕上げの塗装を行い、フードは完成です。

当然ですが、ガイドスコープやフィルターホイールにぶつからないサイズにしました。

効果絶大!やはりフードは必需品

それでは効果の程はいかがでしょうか?

敢えて側面からLEDライトを当てた状態で夜の鉄塔を撮影してみました(数秒間露光する為)。

尚、今回はテストの為カメラは付属のTリング、FTZを使用してNikon Z6を接続しました。

・フード有(SS5sec)

・フード無(SS1/5sec)

もはや説明不要!全然違う!

全く同じ環境下で撮影してこれだけの違いが出るとは・・かなり驚きましたね。

ちなみにフード無しで5秒間露出すると、全面真っ白にすっ飛んでしまいました。

それがきっちり写るようになるわけですから、自作フードの効果は絶大だと言えます。

ついでですがケラれをチェックするため、フラット画像もフード有・無で比べてみました;

・フード有

・フード無

このテスト画像を見る限り、フラットに影響を及ぼす明らかなケラれは無いように思います。

ただ接続リングやFマウントの内径が小さいため、本来の冷却ではどうなるかわかりません。

とは言えそんなに大きく、違ってくるとも思えないですが。

それよりもフードが無い方は、左上が少し、明るくなっている事がお分かりでしょうか?

これは迷光で、フラットが狂ってしまいますので、その対策にも有効という事がわかります。


ということで着々と撮影に向けた準備「は」できております。恨めしや、秋雨前線・・

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